葬儀とは、故人の人生を美しく終わらせるために残された者としての最後の仕事です。
しかし、大切な肉親を亡くしたときには、例えそうなることが予想できていたとしても、動揺し、悲しみに暮れ、何も考えられなくなってしまいます。
精神的に余裕がない中での不慣れな葬儀の打ち合わせは、非常に戸惑う方が多くいらっしゃいます。そこで今回は、葬儀の打ち合わせ内容や、押さえておきたい内容やポイントなどをご紹介していきましょう。
葬儀の打ち合わせの前に知っておきたいこと
葬儀の打ち合わせ前に、まず、葬儀社を決めることになります。病院から紹介される葬儀社にお願いすることも多いのですが、必ずしもその葬儀社でなくてもかまいません。ご遺体の搬送だけをお願いして、あとは数社から見積もりを取って検討する方法もあるのです。費用や対応などを総合的に考えて、葬儀社を決定しましょう。
葬儀社が決定したら打ち合わせに入るのですが、その前に知っておいたほうがよいことを、ご紹介しましょう。
葬儀相談の時の心構えについて
一般の人は葬儀についてあまり多くの知識がありません。大切な人を亡くした直後で、精神的にもつらい状況にあるでしょう。
しかし、故人を後悔なくお送りすることは、遺された者の務めです。すべて担当者に任せてしまうのではなく、自分が「このような葬儀にしたい」という希望を明確に伝えましょう。
そのほうが、担当者も具体的な葬儀プランが立てやすく、よい葬儀になります。
わからないことは何でも聞いて、アドバイスを受けましょう。担当者もご家族の気持ちを汲んで、精いっぱいの努力をしてくれるはずです。
喪主が準備しなければならないこと
葬儀の打ち合わせの際にまずしなければならないのが、喪主の決定です。
通常は配偶者や長男、長女ですが、特別な決まりはありませんので、故人と深く関わった肉親であればどなたでもなれます。
次にお手伝いをお願いする方を決めます。これは、葬儀社から、駐車場には何名、受付には何名とアドバイスがあるので、親戚や友人にお願いします。また、供花の代金をどうするかも決めておきましょう。葬儀社が代行してくれる場合もあります。
遺影写真の準備も大切なことです。故人らしい表情のよい写真を探すのは、思ったよりも手間がかかるものです。現在はデジタル画像が主流なので、解像度なども含めて葬儀社に相談してください。
喪主としての大切な役割のひとつとして、喪主挨拶があります。主な挨拶の機会は、通夜、出棺の前、精進落としです。このときの挨拶は文例もありますが、型にはまったものでなくても構いません。参列してくれた方々に素直な感謝の意を表し、故人を偲ぶものであればよいのです。
これらのほかにも、準備しておくことはたくさんありますが、葬儀社が順序立てて説明をしてくれるので、あまり心配することはありません。
葬儀の打ち合わせ、内容とポイント
葬儀の前に行う葬儀社との打ち合わせ。時間的制約や精神的なこともあり、いざとなると重要な内容やポイントを忘れてしまうこともあります。
もちろん、担当者がフォローをしてくれますが、自分でも知っておいたほうがよいこともあります。
葬儀の場所と日時
葬儀の場所は重要です。一般的な葬儀にするか、家族葬にするか、どれくらいの参列者の方がお見えになるのか、などを考えて、会場選びをしなければなりません。また、日程は、会場の空き状況、火葬場の予約などに大きく左右されます。仏教であれば僧侶の方、神道であれば神主の方の日程もあるでしょう。そのようなことを総合的に考えて、葬儀の場所と日時を決定しなければならないのです。
葬儀の形式についてもよく打ち合わせをしておきましょう。仏教や神道などの宗教葬にするのか、無宗教葬にするのか、故人の遺志を尊重して決めます。
費用やプランなどの決定
葬儀を出すにあたって、費用を確認しておくことは非常に大切なことです。葬儀という特別なセレモニーですから、費用については遠慮をして、あまり質問されない方もいるのですが、そこははっきりと費用を確認しておきましょう。葬儀が終わってから、「こんなにかかってしまった」と思うのも後味が悪いものです。
葬儀にかかる費用は、火葬料や祭壇などの基本費用、お料理や返礼品などの費用、宗教者に来ていただいた場合の謝礼に分けられます。
葬儀社は、予算に合わせてプランを用意していますので、その中から選ぶのが一般的です。プランには、ほとんどの費用がセットになっていますが、葬儀社が手配してくれた宗教者でも、謝礼は別なことが多いようです。
謝礼の相場を葬儀社のほうで教えてくれますので、その額を包んで直接お渡しする形になります。もちろん、菩提寺などがあれば、そのお寺から来ていただくことになります。
そのほか、追加のお料理代金や返礼品など、プランに含まれないものも担当者に確認して、予算の概算を知っておきましょう。